『夜王』の井上紀良先生と、『華と修羅』の谷本和弘先生がお届けする、衝撃歴史コメディ・・・!誰しもが知る英傑・カサノヴァの官能的な真実とは・・・!?
という説明がされているこの「アモーレ~カサノヴァ回顧録~」という作品。
ベテラン漫画家の本気のすごさが詰まっている。
内容はエロコメと言ったらそれまでだけれど、そこに細かい工夫をどれだけこなせれるかという実力を感じさせられる。
原作という部分では
キャラクター
ストーリー
ワード
この3つがそれぞれパズルのようにピッタリはまっていく。
キャラクターは必要最低限で無駄なキャラクターはいない。
出てくるキャラはそれぞれ個性がありお互いを引き立てる役割がきちんと与えられている。
精剛で武勇伝を持つ老いた強キャラのカサノヴァ。
甥っ子でカサノヴァから教えを乞うカルロ。
このふたりのやり取りが基本だけれど、ギャグとストーリー進行がそれぞれ切り離されずにお互いが混ざりながら進んでいくのでテンポがいい。
ストーリーも無理なひねりがないので読んでいてストレスがない。
セリフのワードも「焦点はそこではない!!」という突っ込みでありながら場面転換を示唆するセリフになっており、ただの突っ込みにみせかけて場面転換の役割も担っている。
ただの突っ込みを工夫次第で、特徴的な決め台詞、物語の進行の補助という複数の機能を与えている。
そして作画も中世ヨーロッパの建物、服、小物を描いている。
さらっと描いているが手間がかかったと思う。
そして特徴的なポーズ。
ワンーシーンごとすべてのポーズが絶妙な突っ込みどころをもっている。
なんか変な気がするけど具体的にどこがとは言いにくい。という独特のラインを攻めてくる。
能天気エロコメディではあるが、匠が丁寧に仕上げたらこうなるのかと驚かされる。
さすがベテラン。実力が違う。
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