大味なギャグマンガと思わせる出だしからの!?
ギャグワールド変人と主人公の女の子がだんだんとお互いを意識するようになっていくという恋愛もの。
ジョンタイターというじっさいにネットで自称未来人としていろいろな発言していた人物を小道具にして物語が始まる。
ゲームセンターに置いてある恋占いの機械が運命の相手の名前を教えてくれるというので、主人公が使ってみると学校一の変人の名前が出てきてしまう。
運命を否定しようとするがだんだんと相手に興味を持っていき仲良くなってくるが……。
というありふれた展開で正直そこまで期待値は上がらなかった。
しかし、そこからの展開がすごい!
もうひと展開あってオチか!? まだある! もうひと展開あるかな? ある! まだある!!
という終盤の攻めっぷりがすさまじい。
力技でぐいぐい持っていくが前半にちりばめられていた小ネタが回収されていき、ラストにジョンタイターの占いの本当の意味が明らかになる。からのダメ出しの展開がまだある。
ネタばれ 疾走感とスケールの大きさ
いい意味で騙された人が多かったようでコメント欄もにぎわっている。
出だしの「ちょっと足りない感」をにおわせながら、後半にきっちり仕上げてくるセンスにみんなやられたみたい。
主人公は恋占いが教えた運命の相手のことを好きになっていくが、彼は主人公と結ばれる前に事故で亡くなってしまう。
主人公はその後生涯独身をつらぬき生涯を終える。
ジョンタイターの占いが教える運命の相手とは「その人がじっさいに死ぬ直前に会いたいと思う人」の名前。
それに気が付いた主人公はもう一度彼に会いたいと願うが……。
普通の青春ものだと思っていたら、彼は亡くなるし、60年後に飛んで主人公はおばあちゃんになるし、「えーっ?」っと混乱している隙に、また青春ものに戻って超純愛で終わる。
この揺さぶりがしっかりはまって読後の満足感が最高にいい。
絵は上手いわけではないけれど、それを逆手にとって長所に変える発想がすごい。
他の読み切り作品はルーキー時代のものだけど発想+もうひと展開で工夫しながらやっているのがわかる。
ギャグ、青春、ラブコメ、王道、ジャンルに縛られない自由な作品がまた見てみたい。
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