シング・ストリート 未来へのうた 映画

2022年10月2日日曜日

映画

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おすすめ 名作映画 音楽が素晴らしい

あらすじ

 とても好きな映画。

 さえない学生が好きな子についバンドをやってるという嘘をついてしまい、嘘からバンドを結成するミュージック映画というあらすじを聞いたら明るい青春ものだと思うけど、そんなことはない。

 明るい青春ものかと思ってDVDを借りたら、期待とは違って最初は「えっ」となった。

 あらすじから想像する雰囲気とは違って、この映画には鬱屈とした未来への嫌気みたいなものが漂っている。

 映画の舞台が昔のアイルランドなんだけど当時は社会的に暗い時代だったそうだ。

 両親は不仲で、父親は仕事が変わって収入が落ちて、そのせいで学費の安い荒れた学校に転校させられて、と主人公をとりまく環境はどうしようもないもののせいで落ち込んでいく。その空気感がちょうど子供のときのどうしようもない閉塞感を思い出す。

 徐々にバンドにのめり込んで、主人公のとりまく景色が変わっていくけれど閉塞感からは解放されない。

 この暗さとバンドと音楽のすがすがしさが気持ちいい。

一押し名シーン


 体育館での演奏シーンで主人公が夢見る理想が流れるんだけどそのシーンが一番好き。

 両親は仲良く登場して、目の敵にされている教師もバンドを応援してくれて、恋人のピンチには頼れる兄貴が現れて助けてくれる。バンドで音楽に浸っているときだけそうだったらいいのにという夢を見る主人公が切ない。とても明るい曲でみんないきいきとした表情をしているのにそれが現実でないことの落差を感じさせて悲しくなる。


 明確としたなにかがあるというより、やるせない状況と音楽。そういう映画。

 映画や物語はなにか押しつけくる力が強いけど、それはあんまり感じなかった。

 ハッピーエンドではあるので、きれいな映像と音楽、閉塞感とそこから飛び出したい焦り。

 そういうキーワードになにか引っかかるなら一度観て欲しい。

 主人公や子役たちの演技も素晴らしい。そしてなんと言っても歌がいい。

 この作品と世界観にぴったりな寂しさとなにか先を目指して進みたいって思ってるんだよという気持ちをほんのりと乗せた歌声。ほんとにこれがいいんですよ。

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