ギャグセンスがキレッキレだった!?
怪作ギャグマンガ「剥き出しの白鳥」の鳩胸つるんさんの読み切り作品。
ジャンプ+で剝き出しの白鳥で人気を高め、その連載を終えてジャンプ本誌へと殴り込みにいった。
ジャンプ本誌では「ミタマセキュ霊ティ」というギャグマンガで奮闘していた。
しかしこちらは爆発力に欠けたのか五巻で打ち切りとなった。
おもしろさや人気も惜しいところで、あと一歩が足りなかったような印象。
そのあと一歩はおそらくキレッキレの「優雅な下ネタ」
翼をもがれたのは作者だった……!?
剥き出しの白鳥は露出狂の変態たちによるギャグマンガ。
他人に見せるのが目的ではなく、けっして他人に見られてはいけないというルールがあるのでギャグの範囲に無理やり納めている。
そして少女漫画から研究した個性的な絵柄。
少女漫画の絵や演出が入ることで下ネタが緩和される。
そしてキャラクターも少女漫画らしい優雅さや上品さがそなわっているように見える、ので過激な下ネタが緩和されて笑いなっている。
それだと出オチで終わりそうだが、そこから展開を繰り広げて失速させなかった実力は本物。
だからこそ本誌へと押されていったのだろう。
剥き出しの白鳥は余力を残しながら連載を終えて、作者は本誌へと移っていった。
しかし、本誌では露出狂を主人公にするのは難しかったか。
本誌用にマイルドになってしまったギャグマンガは、まるで作者の翼が折られているようだった……。
そして本作
作者がバスケ経験者でいつかバスケ漫画を描きたいと思っていたそうだ。
そうやって作られた本作だが、ストーリーが作者の心情かと思うくらいリンクしているように見える。
弱小バスケ部が、強豪バスケ部の三軍に体育館を奪われていて、ついに体育館を取り戻すために戦う……というストーリー。
強豪校に体育館をカツアゲされる。
強豪校に追い出されて、体育館の外でフットワークの練習しかできない。
本誌で連載するが連載枠を失う(打ち切り)。
打ち切りされて連載できなかったら、地道な練習しかできない。
という部分や。
家が貧乏で強豪私立高にいけなかった主人公に対して強豪校の部員が「うちにくれば通用すると思たったのか?」というのも、本誌で活躍する難しさをかみしめているように思える。
そういう作者の心情にそっていった作品なのかなと思った。
絵柄とギャグのミスマッチが面白かったけれど、本誌ではいろいろ制限があったのか自由に作品を作れなかったように思っている。
描きたいものと、描けるものがマッチしながらまたあのキレッキレのギャグをみせてほしい。
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