劇的な展開があるようでない
主人公はイジメられていたが、あるとき超能力が使えるようになってやり返す。
メイドカフェで働いているヒロインと関係もできるが……。
超能力を手に入れた少年の王道的な物語に見せかけて、じっさいは弱くてちっぽけな自分を受け入れる日常的な物語。
情けないと思っている自分に気付いて向き合うまでを描いているように思う。
超能力にはある代償があり、それにより主人公はあるものを諦める。
そうやって諦めたけれど主人公はなにかを得ることなく物語は終わる。
なにものでもない自分に感じる表現しにくいものを超能力や世界の改革という大きなものに関わって浮き彫りになっていく。
物語は大げさなになりがちだけれどそれをひねって現実的な痛みを描くのは、読んでて痛快でないしすっきりもしないけど怖いもの見たさで惹かれもするので、この形を深めた作品ができたらまた読んでみたい。
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